捨てられない本
雑誌をPDF化して捨てたものの、そのPDFファイルをまた読み返すことはまったくない。それでも捨てる思い切りのために作業をしている。
次は本にとりかかっている。たいていの本はもう一度読み返さないので捨ててきたが、思い入れの深い本は手が止まっている。
森本哲朗氏の旅シリーズはその一つである。読み始めたのは、大学時代に、阿佐ヶ谷の3畳一間の兄の下宿の本棚で、「ぼくの旅の手帳 または、珈琲のある風景」を見かけたのがきっかけだった。
これらの本を読み進めるうちに、ヨーロッパ一人旅に出かけたくなったのだった。「汝自身を知れ」があったというギリシャのデルフォイまでわざわざアテネから1日がかりでバスで往復したりしたし、クレタ島のクノッソス宮殿に行ったのは「そして、ぼくは迷宮に行った」という本を読んだからだった。
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